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【VITA-01&ザウルスジュニア】北海道クラブマンカップレース第3戦を見てみた
2017年10月2日 15:14
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【北海道クラブマンカップレース第3戦】
2017年9月24日(日)
天候:曇時々晴
開催地:十勝スピードウェイ
2017年の北海道クラブマンカップレースも折り返しとなり、残すところ2戦となった。
今回の第3戦は、今年のチャンピオン争いを占う上でも重要な一戦となる。
VITA-01においては、今回のレースから正式にタイヤが変更となった。
これまでのダンロップ製DIREZZA ZⅡ☆からヨコハマ製ADVAN FREVAとなった。
タイヤの性能としてはグリップダウンとなり、タイムも落ちる方向となる。
誰もがタイヤに慣れていない状況であるが故に、ドライビングスキルやセッティング能力といったドライバーの力が試されるレースとなることは間違いない。
残念ながら私は参戦資金不足のため不参加となってしまったが、ライバルがどのような走りをするのか楽しみで仕方がない。自分が走ることができないのであれば見て走りを盗むべし。今の自分にできることは全てやるまでだ。
予選の直前まで霧雨が降っていたが出走時間には止んだ。しかし路面はハーフウェット。
ドライバーにとっては難しく、観客にとっては面白い予選となりそうだ。
予選の前半はレコードラインも濡れており、ラップタイムからも路面状況を掴むのが難しいことが伺えた。
時折ザウルスジュニアが好タイムをマークしVITAの前に出ることもあり、全く先が読めない展開。
各車タイムが伸び悩む中、No.3古井戸竜一選手がトップタイムをマーク。
しかし、まだまだ安心できるタイムではない。
途中、No.88坂野選手が1コーナーでスピン、ガードレールにヒットするアクシデントに見舞われる。
しかし、奇跡的にも大きなダメージはなくコースに復帰した。
フロントカウル、リアカウル、リアウイングと、見た目にも痛々しい姿となってしまったNo.88坂野選手のマシン。
十勝3時間耐久レースの勝者No.610佐藤選手。
一瞬トップタイムをマークするも、その後はタイムが伸び悩む。
新しく導入されたタイヤ、路面コンディションに苦戦しているのか、耐久の時のような勢いが感じられない。
VITA-01ポイントリーダーのNo.11今野選手はいつも通り淡々と周回を重ね、トップタイムをマークすることはないものの常に上位に食い込んでいる。
誰がポールを獲得するのか全く分からない状況だが、予選終盤になり路面状況が改善されてきたのか、残り5分を切ったところでタイムにも大きな変化が見られた。
No.61平中選手も好タイムをマーク。ポール争いに加わってきた。
FREVAタイヤ導入初戦で記念すべきポールポジションを獲得したのは・・・
No.88 OPTech☆東北海道ヤナセVITA01 の坂野選手!
マシンにダメージを受けながらもトップタイムをマークするとは、さすがはディフェンディングチャンピオン!
予選後「リアをぶつけてウイングがあらぬ方向に曲がってしまったのが結果的に良かったのかな(笑)」と冗談を含めて勝因を語っていた。
予選結果は以下の通り。
ザウルスジュニアでは第2戦で私と好バトルを繰り広げてくれた阿部選手が見事2戦連続でポールを獲得。
「ウェット路面だと自信がある!」と力強く語っていた阿部選手。経験は浅いが着実に力をつけてきている。
今回の予選は、常に変化していく路面コンディションが勝敗を分けた結果となった。 最も路面コンディションが良くなった残り5分以降でクリアラップをとれた選手が好タイムを出していることが分かる。 ドライバーの腕やマシンの性能だけでなく、その時の状況も味方につけなければ良い結果を得ることはできない。改めてレースの奥深さを感じた予選となった。
スターティンググリッド順にVITA-01&ザウルスジュニア参戦ドライバーを紹介!
P.PのNo.88坂野選手はスタートを決め、ホールショットを獲得。
対照的にフロントローのNo.61平中選手はスタートミス。No.11今野選手、No.3古井戸選手に抜かれ4位に後退。
スタートは大きな混乱はないように見受けられたが、1コーナーの進入では軽い接触があったようにも見えた。
オープニングラップを制したのはNo.88坂野選手。
逃げ切りを図ろうとするが、冷えタイヤでのコントロールを得意とするNo.11今野選手がしっかり食らいついている。
しばらくの間は順位の変動はないものの、ワンミスで順位が入れ替わるような静かで熱いバトルが展開された。
No.11今野選手とNo.3古井戸選手はチャンピオンシップでも1位、2位を争っており、両者一歩も引かない攻防が繰り広げられた。
No.3古井戸選手は是が非でも今野選手の前に出たいところだが、新タイヤADVAN FREVAの扱いに手こずっている様子が走りに現れていた。
そうこうしているうちにスタートで出遅れたNo.61平中選手も調子を取り戻し、徐々にではあるが前との差を詰めてきた。
No.610佐藤選手は単独5番手の走行。
思うようにペースが上がらないといった印象。今回のレースはFREVAに翻弄されているのかもしれない。
その後ろではNo.712竹谷選手とNo.48山口選手が接近戦を展開していた。
今シーズンからVITA本格参戦のNo.712竹谷選手とザウルスジュニア時代からレース経験豊富なNo.48山口選手。終始バトルが繰り広げられたが、山口選手のミスにより竹谷選手に軍配が上がった。
さらにその後ろでは・・・
No.310大島選手、No.18古井戸彩子選手、No.135阿部選手、No.16五十嵐選手の四つ巴の闘いが繰り広げられていた。
VITAのタイヤがFREVAになったことで、ザウルスジュニアのラップタイムと近い状態になってしまうことがある。
そうなってしまうとVITA-01vsザウルスジュニアというクラス違いのマシンがバトルをする光景を見ることができる。
ザウルスジュニアもVITA-01も乗ってきたから分かるが、ザウルスジュニア側からするとVITAを追い回すことほど面白いことはなく、VITA側からするとザウルスジュニアに負けることなどあり得ない!というお互いの思いが手に取るように分かる。
いくつかの集団に分かれながらも熱いバトルが繰り広げられた今回のレース、新タイヤADVAN FREVAでの初戦を制したのは・・・
No.88 OPTech☆東北海道ヤナセVITA01 の坂野選手!(水田監督と共に)
ディフェンディングチャンピオンが今シーズン初勝利を飾った!
今シーズン、速さは見せていたものの結果に繋がらないレースばかりで悶々とされていたことだと思う。
レース後のコメントで「皆から“やっと勝ったね”と言われる!」と苦笑いしつつも久々の勝利に喜びを爆発させていた。
【VITA-01】
☆優勝☆
No.88 OPTech☆東北海道ヤナセVITA01 坂野 研
〇2位〇
No.61 HDC 日本平中自動車VITA 平中 繁延
〇3位〇
No.11 さくら眼科十勝スクールVITA 今野 訓昌
【ザウルスジュニア】
☆優勝☆
No.16 さくらJr. 五十嵐弘昌
以下、決勝結果
ドライビングのクセ、各マシンの特徴、新しいタイヤの特徴など、客観的に見たからこそ得られたものも多かった。とは言っても、実走行に敵う練習はないのだが・・・。
レースは一人でできるものではなく、チームやライバル・応援してくれている人がいてこそ成り立つもの。 そう考えると「自分が出ることができないから関係ない」ではなく、出場できなくても自分にできることが何かを考え行動するまでだ。 自分がお世話になっている十勝レーシングスクールチームのサポートをさせていただいたり、レースレポートを書かせて頂いたりと、今の私にできることはこれくらいしかない。 昔とは違い、地方レースや下位カテゴリはほとんど賞金もなくスポンサードも得られることが難しい現代のモータースポーツ。 低迷するモータースポーツ界に若い世代(特に30代以下)や女性といったこれまでにない人々をいかに取り込んでいくかがこれからの課題ではないだろうか。 富士ではVITA-01を使用した女性だけのレース“KYOJO CUP”(競争女子選手権)もスタートし、今までにない活動が広がっている。 新しいことに対しては賛否両論あることは当然だが、何より重要なことは「できる・できない」ではなく「やるかやらないか」ということだ。 成功するか失敗してしまうのかは分からないが、少なくとも成功するために全力を尽くし、同じVITA乗りとしてサポートさせていただく次第である。 そんなこんなと様々な想いを巡らせながら観戦・サポートさせていただいた北海道クラブマンカップレース第3戦だった。
【参考URL】
十勝スピードウェイ:http://tokachi.msf.ne.jp/
WEST RACING CARS公式ページ:http://www.west-racing.co.jp/catlog/vita01.html
KYOJO CUP公式Facebook:https://www.facebook.com/kyojocup/
サツッター過去記事:http://satsutter.com/do/3941.html(十勝3時間耐久レース)
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残念ながら私は参戦資金不足のため不参加となってしまったが、ライバルがどのような走りをするのか楽しみで仕方がない。自分が走ることができないのであれば見て走りを盗むべし。今の自分にできることは全てやるまでだ。
予選
午前10時15分から20分間で行われた予選。
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今回の予選は、常に変化していく路面コンディションが勝敗を分けた結果となった。 最も路面コンディションが良くなった残り5分以降でクリアラップをとれた選手が好タイムを出していることが分かる。 ドライバーの腕やマシンの性能だけでなく、その時の状況も味方につけなければ良い結果を得ることはできない。改めてレースの奥深さを感じた予選となった。
参戦ドライバー紹介!
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決勝(15Lap)
心配された天気も回復し、完全ドライコンディション。 FREVAタイヤでのガチンコ勝負の条件が整った。 1周のフォーメーションラップを終え全車グリッドに着き、ブラックアウトでスタート!
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決勝結果
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VITAレースを観戦して・・・
いつもはドライバーとしてVITAやザウルスジュニアレースに出場しているため、自分がいつも乗っているマシンが走っている姿を見ると「自分も出たい!」という思いが募り、参戦できていない自分の無力さ、切なさ、悔しが込み上げてくる。 今回はそういった気持ちを押し殺し、無理矢理にポジティブ思考で捉えてみた。 自分がレースに出ているとライバルの走りを見る機会はほとんどない。 今回は出ていないからこそできることとして、ライバルの走りをじっくりと見させていただいた。
レースは一人でできるものではなく、チームやライバル・応援してくれている人がいてこそ成り立つもの。 そう考えると「自分が出ることができないから関係ない」ではなく、出場できなくても自分にできることが何かを考え行動するまでだ。 自分がお世話になっている十勝レーシングスクールチームのサポートをさせていただいたり、レースレポートを書かせて頂いたりと、今の私にできることはこれくらいしかない。 昔とは違い、地方レースや下位カテゴリはほとんど賞金もなくスポンサードも得られることが難しい現代のモータースポーツ。 低迷するモータースポーツ界に若い世代(特に30代以下)や女性といったこれまでにない人々をいかに取り込んでいくかがこれからの課題ではないだろうか。 富士ではVITA-01を使用した女性だけのレース“KYOJO CUP”(競争女子選手権)もスタートし、今までにない活動が広がっている。 新しいことに対しては賛否両論あることは当然だが、何より重要なことは「できる・できない」ではなく「やるかやらないか」ということだ。 成功するか失敗してしまうのかは分からないが、少なくとも成功するために全力を尽くし、同じVITA乗りとしてサポートさせていただく次第である。 そんなこんなと様々な想いを巡らせながら観戦・サポートさせていただいた北海道クラブマンカップレース第3戦だった。
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