北海道クラブマンカップレース開幕戦(VITA-01/SAURUS Jr.)を見てみた

2017年5月21日、十勝スピードウェイにおいて「北海道クラブマンカップレース」が開幕した。

当日の天候は晴れ、最高気温24.5℃と悪くないコンディション。

北海道のモータースポーツシーズンが本格的に開幕ということもあり、会場である十勝スピードウェイは待ちわびた参加者の陽気な声と共に独特な緊張感に包まれていた。

いくつかのカテゴリがある中で、昨年まで私も参戦していた「VITA-01/SAURUS Jr.」クラスを中心に見てみた。

【公式車検】

各チームのマシンが車検場に運ばれ、順番に車検を受けていく。


灰色の台は測りになっており、この上にマシンを乗せて車重を測定している。
重量は規則で決められており、VITA-01は600kg以上となっている。


タイヤもチェックされる。スリップサインが出ていないか、加工が施されていないか等、安全と規則を確保するために厳密に検査される。合格したタイヤには検査員がマーキングすることになっており、マーキングされていないタイヤを使用する場合には規則に沿った対応をしなければならない。


マシン後部のカウルを上げて、エンジン周りのチェック。
油漏れ等がある場合、火災事故やコース上に飛散した場合にスリップによるクラッシュなど、重大事故につながりかねないため厳重にチェックされる。
また、エンジンに手を加えることは規則上禁止となっている。


今回のレースからカウルを取り外して、内部に違反物が搭載されていないかを確認する項目が追加された。残念なことに、全国各地のVITA-01レースにおいて、「違反しているのではないか?」といった声が上がるようになってきている。目に見えないところで規則違反の改造を施している恐れがあったり、グレーゾーンをついてきたりと、レースが盛り上がれば盛り上がるほど「勝利」への執念は強くなるもの。
しかし、規則を破ってまで得た勝利は、本物の勝利ではない。

ルールを守り、安全に楽しくやるべきだ。

車検のすべての項目をクリアすると公認ステッカーを貼られ、正式にレースへの出場が認められる。

【ドライバーブリーフィング】
レースルールの説明と確認事項を共有する。質問や不明事項はこの場で確認しておく。

【公式予選】
20分間で行われる公式予選。

20分間で計測したタイムが速い順に決勝のスターティンググリッドが決まる。
できるだけ前のほうでスタートすることが決勝での勝利に近づくため、限られた時間をムダにしないよう、ピリピリした空気が張り詰めている。

予選とはいえ、既にレースは始まっているのだ。




予選中にピットインし、ドライバーはメカニックにマシンの状態を伝えたり、他の選手の情報を仕入れたりする。限られた条件の中から最適なマシンセットを探し出し、ポールポジション獲得に向け全力で挑むのだ。

予選から熱いバトルが繰り広げられ、ポール争いはなんと0.221秒以内に3台がひしめく大混戦となった。そんな混戦を制し、見事ポールポジションを獲得したのは・・・

No.61 HDC 日本平中自動車 の平中 繁延選手!

平中選手は御年61歳!

さすがは元SAURUS Jr.やFJ1600シリーズのチャンピオン経験者。昨年の最終戦から実戦復帰されたわけだが、長年のブランクを感じさせない熱い走りでポールポジション獲得となった。

しかし、トップ3のタイム差を見ても決勝は混戦が予想される展開となり、誰が勝利を手にするのか予想がつかない展開となった。

〇予選結果〇
1:No.61 HDC 日本平中自動車 平中 繁延選手 1:33.411
2:No.3  さくら眼科 2000Racing01 古井戸 竜一選手 1:33.608
3:No.88 OPTech 東北海道ヤナセVITA01 坂野 研選手 1:33.632

【決勝】
決勝スタート前。各選手は決戦を前に集中力を高める。



決勝レースをどう戦うか、イメージをつくるドライバーたち。
走る前から既に戦いは始まっているのだ。

そして、コースオープンと同時に全車ピットから離れ、グリッドに向かった。

各マシンが自分のグリッドに着いたところで、チーム関係者や応援者が各マシンのもとに向かう。





ドライバーがリラックスできるよう団欒するチーム、「絶対に勝つ!」と気合を入れるチーム、戦略を再度確認するチームと、それぞれのチームが最適な方法で過ごすこの数分間。
この時間は案外大切である。
私自身、レース中に熱くなってしまったときにこの時間に話したことなどを思い出すことで冷静さを取り戻すことができたり、最後まであきらめない気持ちが出てきたりしたことがあるからだ。レースは一人で走っているのではない。チームや応援してくれている全ての人と走っているのだ。

1周のフォーメーションラップを終え、再びグリッドに整列。

レッドシグナル点灯→ブラックアウト(滅灯)でスタート!

大きな問題もなくスタートを切り、オープニングラップを制したのはポールポジションからスタートの平中選手。続いて古井戸選手、坂野選手と続く。

その後、坂野選手が2番手に浮上しトップの平中選手とのテールtoノーズのバトルを展開する。

4位争いは今野選手と佐藤選手のバトル。膠着状態であるが常に接近しており、ワンミスで順位が入れ替わる予感。

4位を走る今野選手はミラーで佐藤選手の動きをチェックしていることが分かる。

走ること数周、トップ争いに変化が。1コーナーで何かが起きた模様。
トップで戻ってきたのは古井戸選手だ。続いて坂野選手。平中選手が遅れている。

しかし、2位の坂野選手のペースが速い!またしても古井戸選手とテールtoノーズのバトル。
昨年のチャンピオン坂野選手と、一昨年のチャンピオン古井戸選手の手に汗握るバトルは最終周まで繰り広げられた。

トップチェッカーは古井戸選手!続いて坂野選手、今野選手の順にフィニッシュとなった。
※レース後の正式結果では、①古井戸選手②今野選手③佐藤選手となった。
ザウルスジュニアクラスでは①五十嵐選手②阿部選手の順にフィニッシュとなった。

開幕戦トップ3は以下の通り。

『VITA-01』
☆優勝☆
■No.3  さくら眼科 2000Racing01 古井戸 竜一選手

〇2位〇
■No.11 さくら眼科⼗勝スクールVITA 今野 訓昌選手

〇3位〇
■No.610 KSDRacingVITA 佐藤 元春選手

『ザウルスジュニア』
☆優勝☆
■No.16 さくらJr. 五十嵐弘昌選手

〇2位〇
■No.135 トバコスレーシング Jr. 阿部 晃太選手

今シーズンも開幕した北海道クラブマンカップレース。

ザウルスジュニアには、18歳の大学生ドライバー「阿部 晃太」選手が満を持してのデビューとなった。
高校生の頃から「早くレースに出たい!」と強い思いを持っている姿を見ていたため、デビューレースで2位入賞という結果が自分のことのように嬉しい。

毎周回、無事に戻ってくるかハラハラドキドキしながら観ていたが、その走りは周を重ねるごとに上達していることが手に取るように分かる。これからの活躍が期待される選手だ。

【おわりに】
昨年までザウルスジュニアで戦っていたドライバーがVITA-01にステップアップし、VITAレースは盛り上がりを見せている。
一方で、ザウルスジュニアは参加台数が少なくなってきている。
レース成立のためには最低出走台数として3台以上が必要である。レースに興味がある方、まずは十勝スピードウェイで実施しているザウルスジュニア体験プログラムを活用していただければと思う。
http://tokachi.msf.ne.jp/4wd-event.php?event_id=1065
体験プログラムは気軽に誰でも参加可能であるため、まずは問い合わせをしてみてはいかがだろうか。
それから先のことは、サーキットの担当者とじっくり相談して頂きたい。

私自身、レースに出たいのだが諸事情で活動が困難な状況にある。
出場することができないのであれば、チームのサポートをしたり、サツッターライターとして記事を書いたりして微力ながら北海道モータースポーツの一助となりたいと願っている。

次戦、北海道クラブマンカップレース第2戦は7月30日(日)