福岡出身の私にとって、ラーメンといえば「豚骨」である。

福岡のラーメン屋のメニューには「ラーメン」としか記載がない。
ほとんどのお店が豚骨であり、スープの種類を選ぶという概念は基本的にない。
無論、私もラーメン屋で「しょうゆ、みそ、しお」といったスープを選ぶということを考えたことはなかった。男は(老若男女)黙って「ラーメン1杯!替え玉!」これが、福岡・博多流だ。

しかし、札幌に移住してみるとラーメンの種類が多いことに驚いた。
「豚骨、みそ、しょうゆ、しお、えび、豚骨醤油、つけ麺…」ラーメン屋でスープの種類を選ぶという意味が分からなかった。

さらに追い打ちをかけるように、麺まで全くの別物・・・私の中にあるラーメンの概念はものの見事に打ち砕かれた。

博多ラーメンは小麦の極細ストレート麺だが、北海道は縮れた太めのたまご麺をよく見かける。

食べなれないうちは、脳内のデータと物理的に食した感覚が一致せず軽くパニック状態に陥っていた。しかし、気持ちを冷静に理解しながら食すと、札幌ラーメンの良さを感じることができた。

同じラーメンとはいえ、博多の感覚で食べてはいけない。
札幌(北海道)のラーメンは全くの別物なのである。

前置きが長くなったが、このような経緯をたどり札幌ラーメンを楽しむことができている昨今、衝撃的なニュースが飛び込んできた。

「有名店に麺を卸している製麺所の麺を100円で買える。しかもスープ付き」

最初はネット上に流れているデマではないかと疑ったが、調べてみるとどうもデマではないようだ。

ちなみに、その製麺所が卸していると言われているラーメン店は下記の通り。
・麺屋 彩未
・麺部屋 綱取物語
・らーめん寅乃虎
・辛いラーメン14
・えびそば一幻
・らー麺 ふしみ
・中華そば うさぎ
・麺屋 雪月花
・札幌豚骨ラーメン 常
・さっぽろ純連
・拉麺いそじ
・喜来登
・おにやんま
・すみれ
・らぁめん くらり
・麺や琥張玖
・麺屋 おざわ
・らーめん黒山
・らーめん髙〇
・麺の房 たけ田
・らーめん喜多楼
・札幌真麺処 幸村
・札幌 白樺山荘
・らーめん 覚羅
・さっぽろ麺屋 文太郎
・究麺 十兵衛
・麺屋 じょうきげん
・糸松
・らーめん 向日葵
・ラーメンの味幸
・ラーメン 大連
・麺屋 開高
・味の中一
・ピッコロ大将
・らーめん 兜
・八乃木
・麺処 一代 つけ麺屋
計:37店(名称のみ、チェーン展開している店舗数はカウントせず)

参考HP:@ちくわちゃん札幌ラーメンブログ

なんということか!超有名店を含め、物凄い数ではないか!

これだけのラーメン店に麺を卸している製麺所というのが「森住製麺」さん
公式HP→ http://www.morizumiseimen.com/

昭和25年創業の老舗製麺所である。早速、森住製麺さんへ行ってみた。

札幌ラーメン有名店御用達!森住製麺に潜入

外観は工場兼事務所で、売店という雰囲気はない。
唯一確認できるのは、建屋入口に立っている2本ののぼりだけである。

本当に個人向けに販売しているのか?と恐る恐る近づくと

ガラスの扉にはたくさんの案内書きが。
その中の一文「お気軽にお立ち寄りください」と優しいフォントで語りかけてくれていることに気づき、安心して扉を開けることができた。

中に入ると、会社の事務所の扉があり、写真のような一文が書いてある。

その隣には、ここで販売している商品が簡単に紹介されている。

私が欲しい商品は1食100円でみそ、しょうゆ、しおの三種類のスープが選べるものなのだが、ここにはその表記がない。どういうことだ!?と焦ったのだが、振り返ると答えはあった。

そう、入口に貼り付けてあったのだ。

私の不可解な行動に興味を示されたのか、事務所の中から人が出てきて親切に注文を取ってくれた。商品の受け取りを待っていると、その後ろを従業員の方が出入りしていた。本当にココは製麺所なのだと改めて実感。

建物の外観は無機質なのだが(失礼)、従業員の方々は本当に親切丁寧に対応していただき、感謝感謝である。

目的の物を買い、製麺所を後にした。

製麺所で仕入れた麺でラーメンを作ってみた

自宅に戻り早速ラーメンをいただくことに。

麺の質感、色、香り、どれをとってもスーパーなどにある物とは違う。ラーメン屋さんの箱の中に並んでいる麺と同じである。

そして、付属のスープがこちら。

調べてみると、主に業務用として販売されているもののようで、「麺匠 戸田久」という岩手県のメーカーのようだ。

「スープは札幌じゃないんだ・・・」と思いながらも、それはさておき。

お手製感のあるラーメンの作り方が入っている。

麺を茹でると部屋中にたまご麺の良い香りが漂い、ゆで汁も黄色くなっている。

ラーメン作りで重要となる湯切は、麺の落下速度より速くざるを落下させ、さらにざるを上に振り上げ麺にぶち当てるようにするとキレイな湯切ができる。ざるの上でチャッチャッと麺を上下に動かすだけでは良い湯切はできない。
良い湯切ができていると、麺のべちゃべちゃ感はなく、お店で食べるようなシコシコ麺に仕上がる。

「現象には必ず理由がある」とはよく言ったもので、全ては物理なのである。たかが湯切、されど湯切。

最後にお手製半熟卵をのせれば、完成。今回はみそラーメン。

見た目の美しさが×だが、その点はご勘弁願いたい。

いざ、実食。

・・・う、うまい!

「製麺所で直接買った」という先入観があるとはいえ、麺の香り、食感、スープとの絡みが抜群に良い。本当にお店で食べているかのようで、冗談抜きで下手なお店よりおいしいかもしれない。
スープは正直あまり期待していなかったが、麺とのマッチングは良い。お手製の半熟卵にもよく絡み、これが1食100円で楽しめると考えるとこの上ない贅沢である。

超お得!札幌地元民ならではのお得感!

参考情報として、ネット通販されている森住製麺さんのお土産ラーメンは4食入りで¥1,080という価格である。スープは違うかもしれないが、それでも直売のお得感は半端ではない。
北海道おみやげ宅配便:http://www.omiyage-takuhai.com/fs/natoriya/gd843

最近のインスタントラーメンやチルド生麺もかなりのクオリティだが、「森住製麺」さん直売のものを食べると、やはり違うなと実感した。

家庭の場合スープには限界があると思うが、麺であれば製麺所さんから直接購入すれば間違いがないことが分かった。

製麺所で直売しているというのもラーメン王国 札幌の特徴なのかもしれない。


最後に、私自身が良かったなと思えることは、「ラーメンといったら博多ラーメンやろうもん!」と意固地にならず、札幌ラーメンも受け入れるという柔軟な思考に切り替えることができたことが今回の収穫につながったのかもしれない。

北海道、札幌はまだまだ面白いことがたくさんありそうだ。

森住製麺 http://www.morizumiseimen.com/
所在地:札幌市東区北45条東17丁目3-12株式会社森住製麺 1階
営業時間:平日・土曜日 9:00~16:30 (日曜日・年末年始定休)