【VITA-01】2018 北海道クラブマンカップレース第1戦に参戦してみた

参戦情報

2018年 北海道クラブマンカップレース第1戦(JAF公式戦)
開催日:5月20日
開催地:十勝スピードウェイ
参戦クラス:VITA-01
Car No.9
チーム:十勝レーシングスクール
車両名:十勝レーシングスクールTAKUMI01
Driv:鬼塚 益生(サラリーマン・レーサー)

2018年の開幕戦も2桁台数を達成!

2010年に誕生し、今や国内に留まらずアジア圏にまでその盛り上がりを見せている「VITA-01」レース。
今年は日本国内7シリーズ(鈴鹿、もてぎ、富士(FCR/KYOJO)、岡山、十勝、筑波、袖ヶ浦)、海外1シリーズ(フィリピン)で開催される。
十勝においては2011年からスタートし今年で8年目。
開催当初から「参加台数2桁!10台!」を目標に取り組んでいたが、毎年5台前後の台数しか集まらず、掲げていた目標は思っていた以上に厳しいものだった。

そして迎えた2018年シーズン。昨年の開幕戦10台に続き、今年も開幕戦での2桁台数を達成!
北海道においてもVITA-01レースが定着した感があり、他地域に劣らない盛り上がりを見せている。

急遽決まったシリーズ参戦

今シーズンも活動資金の厳しさからシリーズ参戦は見送り、十勝3時間耐久レースにのみ参戦する予定でいた。
そんな折、十勝でVITA-01レースに出ていたC氏より3月末に突然の連絡があり、「よかったら自分の車に乗らないか?」との打診を受けた。
C氏は都合により参戦しないため、これまでの関係を含めて声をかけていただいたという本当にありがたいお話であるが、この時点ではレース参戦費用の工面が付いていなかった。

しかし、声をかけていただいたC氏の思いと、北海道におけるVITA-01レースのためにも、ここは断るべきではないと判断し、4月上旬に参戦決定に至った。


さらに、今シーズンは「TAKUMIモーターオイル」様のスカラシップ制度を利用し、オイル関係をサポートしていただけることとなった。

北海道においてTAKUMIオイルの使用実績を聞かないことから、今シーズンのVITA-01レースにおいてその感想をお知らせできればと思っている。

そして、勝利のご報告ができるよう全力で挑む所存である

感覚を研ぎ澄ませ、マシンと向き合う。

通常であれば、開幕戦に向けて体の慣らしとマシンセットを出すための事前テストを繰り返すわけだが、資金と時間に余裕がないことから開幕までにできた実質のテストは30分程度だった。

「テストができなかったから走れない」と言い訳はしたくないため、限られた条件の中でとにかくマシンと向き合った。

感覚を研ぎ澄ませ、ピットアウトしたその瞬間からマシンが自分に教えてくれる情報を細かく拾い上げた。その成果として、とりあえずの目標としていた1分33秒前半のタイムはすぐに出すことができた。

自分の感覚をデータロガーの情報と照合するとほぼ一致していた。ただ、実際には拾い切れていない情報もたくさんあるため、そこを突き詰めていけば32秒台を出せることは見えている。

今年のVITAレースはなかなかハイレベルな争いになりそうな予感がする。

【予選】悔しい3番手

前日の公式練習は雨だったため、本戦に向けてのセット出しは全くできていない。
まさにぶっつけ本番状態である。

十勝晴れのもと、午前中に予選が開催された。

荷重移動とタイヤを意識して走っていると、アタックしていないにも関わらず単独走行で楽に33秒台に突入した。

本アタックをするためにピットインし、タイヤの内圧を合わせコースイン!

1つ目のコーナーでマシンが最高の状態であることが分かり、「相棒よ!32秒台いくぞ!」とマシンに語り掛けながらアウトラップを走行していると突然のエンジン失火症状が発生。ガス欠とも違うエンジンのズブズブ感。マシンを壊さないことを第一に考え、後ろ髪を引かれる思いで泣く泣くタイムアタックを中止しピットイン。
残り時間4分でガレージにマシンを戻しそのまま予選を終えた。

ライバルのタイムを見ても伸び悩んでいる様子であることから、本当にもったいない悔しい3番手となってしまった。

【予選結果】
①:No.610 佐藤 元春  恒志堂レーシングVITA 1号機
②:No.88 坂野 研  OPTech☆東北海道ヤナせVITA01
③:No.9 鬼塚 益生  十勝レーシングスクールTAKUMI01
④:No.61 平中 繁延  HDC 日本平中自動車
⑤:No.11 今野 訓昌  さくら眼科十勝スクールVITA

【決勝】追突され最後尾に落ちるも6位フィニッシュ!

3番グリッドからのスタート。
2年ぶりのシリーズ復帰戦にしてはまずまずのポジション。

午前に比べると雲が多く、時折雨粒のようなものが落ちてきていた13時半。

全車が1周のフォーメーションラップを終えグリッドに整列。

レッドシグナルが消えブラックアウトで全車一斉にスタート!

スタートは失敗しなかったが、1コーナーの進入で慎重になりすぎてしまいNo.11の今野選手にアウトから抜かれ4番手へ後退。

このことでボトムスピードが落ちてしまいリズムに乗れず、6コーナー進入ではNo.61の平中選手に抜かれ、そこに便乗する形でNo.310の中川選手にも抜かれてしまった。

6番手まで下がってしまったがレースはこれから。相手の技量・スピードも分かっているため慌てず行こう。

そう思いながら左ヘアピンの8コーナーにターンインすると・・・

「ドンっ!」

という衝撃音と共に首が左右に大きく振られ、一瞬ではあるが状況が全く分からなくなった。

誰かに追突されたのは間違いないが、この時点では誰にどういう形で当てられたのか理解できず、「誰だ?!何てことしてくれるんだ!」とヘルメットの中で感情的になってしまった。

VITA-01はもちろん混走のザウルスjr.を含めた全車に抜かれ、一気に最後尾まで転落。

再スタートを切りマシンに異常が無いかを調べるが、走行に支障のないダメージだったことは不幸中の幸いである。

トップから約20秒差、私の前を走るVITA-01との差でさえ約10秒もある絶望的状況。
しかし、レースは最後の最後まで何が起きるか分からない。諦めた時点で負けが確定する。

追い上げを開始しつつ、興奮状態になってしまった気持ちを落ち着かせるため、頭の中でお気に入りの曲(この日は華原朋美!)を流しながらリラックスして走ることを心がけた。

スタート直前に内圧を調整しなおしたことが裏目に出てしまい、マシンの挙動は良いとは言えない。ラップタイムが想定より遅かったものの前走車より約1秒速いペースで周回を重ね、少しずつ差を詰めていった。

No.61の平中選手がマシントラブルでスロー走行をしていたり、No.18の古井戸彩子選手がスピンしたりと、運にも助けられながら順位を上げていった。

マシンにも身体にもダメージを受けつつ12Lapの決勝レースを走り抜き、6位フィニッシュ。

ザウルスjr.を含めて一時は最後尾(15位)まで後退したことを考えれば・・・悔しいが、私の今の実力ではこれが精一杯の結果だった。

【決勝結果】
①:No.88 坂野 研  OPTech☆東北海道ヤナせVITA01
②:No.610 佐藤 元春  恒志堂レーシングVITA 1号機
③:No.11 今野 訓昌  さくら眼科十勝スクールVITA
④:No.310 中川 隆吾  恒志堂レーシングVITA 2号機
⑤:No.777 大島 良平  恒志堂レーシングVITA 4号機
⑥:No.9 鬼塚 益生  十勝レーシングスクールTAKUMI01


ディフェンディングチャンピオンの坂野選手が見事に優勝!
「タイヤが変わりまったくテストができていない状態だったが、走行前に頭の中でしっかりとイメージをつくれたのがよかった」と話していた。
満足にテストが出来ていなくても勝利をもぎ取る。さすがは2連覇を成し遂げたチャンピオンである。


ポールスタートであったが惜しくも2番手となってしまった佐藤選手。
オフシーズン中にテストを重ねてきていたこともあり、安定感のある速さを見せていた。
坂野選手の3年連続チャンピオンに待ったをかける最有力選手である。

3番手の今野選手は、堅実な走りで表彰台を獲得。
予選からラップタイムが上がらず苦戦している様子ではあったが、さすがは大ベテラン。
落ち着いた走りでチャンピオンシップ争いに加わっている

帰りを待つ家族や仲間のもとへ笑顔で帰る。これが大前提!

ここ数年、十勝のVITAレースは大変な盛り上がりを見せてきている。

と同時に、フラッグ・ボードの見落としによるペナルティや接触事故といった事象が多々見受けられるようになったのも事実である。運営側にしても参加者側にしても、レースに関わる全ての人が今一度ルールやマナー・モラルについてしっかりと考えて行動していきたい。

今回のレース後、身体に異常はないと思っていたが、翌日になるとむち打ち症状のような痛み・違和感が出てきてしまったため、今後のことを考えて受診した。

診断としては「頸椎捻挫」であったが、骨や神経には何の問題もなく日常生活や仕事には全く影響はないためご安心いただきたい。

このことを公表することに対して疑問を呈する方もいるかもしれないが、モータースポーツは楽しく魅力あるものである反面、非常に危険でリスクの高いスポーツであることを身をもって改めて感じたことから、共通認識を図るためにもこの場において公表させていただいた次第である。

「ハインリッヒの法則」ではないが、小さな予兆や事象が積み重なるといつかは大変な事態が起きてしまう。

いくら安全性が向上しているとはいえ、モータースポーツはリスクが高いスポーツであることを強く意識しておきたい。

勝利を追い求めることは当然だが、私たちは好きでレースをやっているアマチュアレーサーである。

参加者が受けてきた教育や指導というものはバラバラで、未経験者やスクールなどのレッスンを受けていない人でもライセンスとマシンとお金が揃えば参戦できてしまうのである。

自信は大いに必要だが過信があってはならない。

今回のことを妻に話したところ
「本当は常に恐い。現地でレースを見ているときは毎周無事に戻ってくるか、現地に行けないときは無事に家に帰ってきてくれるか、いつもハラハラしている。けれど、本気で取り組んでいることは全力でやってもらいたいし応援したいから、そこは私もしっかりしなければと思っている。」と本音を語ってくれた。

そして、接触事故は当てた方も当てられた方もお互いに気持ちが落ちてしまう。
良いか悪いかの判断とペナルティに関しては審査委員会で判断してもらえればそれでよい。

私はヘルメットを脱げば怒りの感情は捨てている。怒ったところで元に戻る話でもない。

重要なことは、次のレースを素晴らしいものにすること。ただそれだけである。
そのためには、お互いに理解し尊重しあうことが必要である。

どんなことがあっても、勝っても負けてもレースが終わればお互いを称えあい、そして家族や仲間のもとへ笑顔で帰る。そのことを忘れてはいけない。

高い安全性を確保している「VITA-01」

一般道を走行している時に、時速80㎞近いスピードで走っている状況で真横に突っ込まれたらどうなるだろうか?

考えただけでも恐ろしい。

今回の接触はまさにそのような状況であった。

しかし、マシンはダメージを受けたものの走行には支障が無く、私自身も軽い頸椎捻挫で済んでいる。

これは、お世辞でもなくVITA-01というマシンの安全性の高さを示しているものと思える。

VITA-01を開発されたウエストレーシングカーズ 神谷CEOの話の中でも
「VITA-01は、設計の段階から安全性と衝突時の衝撃緩和、そしてカウル破損の被害軽減を考えて製作している。特に、サイドについているクラシャブルストラクチャーは今回のような衝撃に対して十分検討して開発している。」
と語られている。

まさしく、サイドに張り出しているクラシャブルストラクチャーが衝撃を吸収し、モノコックへのダメージを防ぎ、体への負荷を軽減してくれていることが分かる。
このクラシャブルストラクチャーが無ければ、マシンも私自身もボロボロになっていたかもしれない。
開発者サイドも、レース参戦者の安全を確保するためにたゆまぬ努力と工夫を成されている。
安全なマシンがあるからこそ、私たちドライバーは安心してレースをすることができるのである。

次戦予告

2018年 北海道クラブマンカップレース第2戦(JAF公式戦)
開催日:7月22日(日)
開催地:十勝スピードウェイ
参戦クラス:VITA-01
Car No.9
チーム:十勝レーシングスクール
車両名:十勝レーシングスクールTAKUMI01
Driv:鬼塚 益生(サラリーマン・レーサー)

今回のレースでダメージを負ったマシンの修復は大変だが、第2戦に参戦できるよう取り組んでいく。
そして、今回の雪辱を晴らすことができるよう全力で挑む次第である。

応援よろしくお願いいたします!

【北海道クラブマンカップ VITA-01レース 関連Webサイト】
◆VITA-01開発メーカー「WEST RACING CARS」公式サイト
・レースレポート:http://west-racing.co.jp/archives/1335

◆北海道で最も熱く強力なレーシングチーム「Koshido Racing」
・第1戦レポート:https://koshido.co.jp/racing/detail.html
・公式サイト:https://koshido.co.jp/racing/detail.html
・公式Facebook:https://www.facebook.com/koshidoracing/

◆北海道唯一の国際公認サーキット
・十勝スピードウェイ公式サイト:http://tokachi.msf.ne.jp/blog.php?id=1792