10月末から11月にかけての北海道といえば、観光シーズンの谷間の時期。雪がちらついたりして外を歩くのも寒いし、イベントもあまりないころですよね。
でもこの時期、北海道で一番盛り上がるものがあります。
それは
「シシャモ」。
シシャモ(柳葉魚)は、世界でも北海道だけの貴重な魚!
本州の方ならスーパーで10匹200円くらいで買えてしまうお手頃なカルシウム補給源のイメージだと思いますが、実はあれは本当の「シシャモ」ではないのです。
カラフトシシャモ、英語名カペリン。
シシャモ(漢字では柳葉魚と書きます)はなんと世界でも北海道でしか獲れない魚。北海道の太平洋側の9つの川にしか上ってこない回遊魚なのです。
北海道限定、しかも10月末から11月という短い期間に限られた貴重な魚という事実が、食いしん坊の私の心に火をつけたのは言うまでもありません。
シシャモといえば、鵡川でしょ。
11月入ってばかりの平日、福岡出張から新千歳に帰ってきたダンナをお土産の明太子と一緒に車に乗せ、そのままシシャモの名産地、鵡川へ。道すがら「シシャモ寿司」の貴重さについて聞かれてもないのに延々語ります。
狭い車内で洗脳されたダンナが「いまシシャモを食べなくていつ食べるんだ!」と言い出すまで、そう時間はかかりませんでした。なんていったって、彼だって食いしん坊なんですから。
新千歳空港から鵡川までは1時間弱。
街に入るとあたりにはすだれのように干したシシャモがずらり。
寒空にこうして並んでいるのはいまだけと思うと、なんともいえない高揚感が沸き上がってきます。これを見られただけでもここに来た価値はあった!
シシャモ三昧!北海道の秋の旬を堪能
目指すお店につくと、半分が販売コーナー、半分は食堂のようなスペースで食券を買って食事をするシステムのようです。
シシャモを絡めたいろんなセットがありますが、とにかくシシャモ寿司!
そして寒いのでシシャモ汁を。
他にシシャモフライやホッキカレーも加えました。せっかく来たので、貪欲に行きましょう。
見渡すとすべてのテーブルにホットプレートが備え付けてあります。焼シシャモ用は販売コーナーで選んで買ってくるとのこと。なるほどなるほど。焼きたてが食べられるわけですね。
外の販売コーナーに行くと、「ちょうど特大の雄雌が一匹ずつあるよ!ちょっと高いけど。」
と商売上手なおばちゃんが話しかけてくれました。
シシャモで高いって言ったら一匹500円くらい?とおののいていたら、4匹で980円とのこと。二条市場で食べる2匹で800円より
断然安いです!!
さすが名産地。お手頃です。
ホットプレートにクッキングシートを敷いて、いざ。
なんて巨大なシシャモなんでしょう。イワシくらいあります。
そして次々と運ばれてくるシシャモ料理。
まず、一番の目的シシャモ寿司。
シシャモにお寿司になるほどの肉があるとは。
これは本州ではまず食べられないです。新鮮なシシャモがあってこそ。
そして驚いたのが醤油ではなく山椒塩で食べると、シシャモの旨みがひきたつこと。山椒の野趣あふれる香りと、この小さな繊細なシシャモの味がこうもバランスよくお互いを生かし合うとは。食べてみないとわからないものです。
次にシシャモ汁。
やさしい味のお出汁に、小さめのシシャモが泳いでおります。スープに焼いたシシャモの香ばしい香りが移って、なんとも薫り高い一品。ジャガイモが入るのは北海道ならではですね。
このセットにはシシャモの漬物もついてました。酢で締まった固めのシシャモが、お漬物にいい旨みを加えてます。
そしてホッキ貝カレーに乗ったシシャモフライ。
これはまあ、予想通りの味でした。(笑)
いろいろ食べているとやっと焼シシャモが食べごろに。
焼きたてのシシャモにかぶりつくと、外はパリッ!中はフワッ。
天日干しにしたシシャモは旨みがぎゅっと濃縮されていて、特有の香ばしい薫りとともに口の中に広がります。
ああ、日本の旬って素晴らしい。北海道の秋って素晴らしい。
シシャモを食べたい勢いで鵡川まで来てしまいましたが、結果大満足。
11月いっぱいはシシャモの旬が続くので、
世界にここだけの味をぜひ現地でご堪能あれ!
■鵡川ししゃも
http://www.town.mukawa.lg.jp/3124.htm
■北海道のシシャモについて
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/ske/osazu/oz01fis/fis010.htm