アートの個展「星町月春待月 本田征爾の世界展」を見てみた
2016年3月11日 19:33
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みなさん、アートはお好きですか?
展覧会などでの絵画鑑賞が趣味の方から、物作りが趣味の方までアートの楽しみ方はいろいろですね。
今回私は、以前から気になっていた札幌在住のアーティスト、本田征爾さんの個展にお邪魔してきました。
会場は、地下鉄琴似駅からほど近い、ギャラリー「北のモンパルナス」さん。入り口をくぐると、個性あふれる絵とかわいらしいミニ造形物が出迎えてくれました。それらの作品は、一瞬にして私のハートをしっかりキャッチ!
壁一面にディスプレイされた絵はまさに、独特の世界観を醸し出す本田征爾ワールドそのものでした。
本田さんのモチーフによく登場するのは、海の生き物、陸の生き物、自然。特に、魚、犬、猫、蛙、バク、少女、きのこなどは、まるで無風状態の中で静かにじわじわと熱を放出しているかのような絶対的存在感があります。
複数のモチーフの組み合わせがとてもユニーク。美しい魚の背からきのこがにょきにょき生えている絵には目が釘付けになりました。とびきり鮮やかな色使いの作品が放つオーラにもぐいぐい惹きつけられます。また、息をのむほど細部にこだわった緻密な絵もあり、思わず5センチの間近まで顔を近づけてじっくり見てしまいました。
棚の上に鎮座する動物の立体オブジェも、命を吹き込まれたかのようにそれぞれが個性的な主張をしておりました。これらは主に、石粉粘土という材料をこねて作り上げてあるそうです。
ではなぜ本田さんの作品には生き物が多いのでしょうか。
それは、経歴を知るにつれ納得。
現在39歳の本田さんは、学生時代に大学の水産学部で魚類の研究をしていました。時にはマグロ調査船に乗り、多種多様な魚を釣り上げては狭い船内でそれらをスケッチしていたそうです。
なるほど、合点いきました。どうりで、本田さんの生き物の作品からは、優しい愛情と感謝の気持ち、畏敬の念が感じられるわけなのですね。
一般的な絵画技法の常識や慣習、既成の枠とは無縁の本田さんの作品はどれも自由闊達で、遊び心満載。誰にも真似のできない唯一無二の小宇宙空間を生み出しています。
百聞は一見にしかず。この機会に是非、本田征爾さんの作品に触れてみてはいかがでしょうか。
今回の個展が開かれているギャラリー「北のモンパルナス」さんは、一般的なアパートの居住部分を改装した作りになっています。訪れた人がゆっくり休めるようにとの店主さんの温かい心配りからテーブルと椅子も設置され、コーヒーでおもてなししてくれるのが嬉しいところ。程よい照明も心地よく、まるでお友達の家を訪ねたときのような心安らぐ空間でした。
「星町月春待月 本田征爾の世界観」
2016年3月1日(火)~26日(土)
営業日 火曜日~土曜日
定休日 日曜日、月曜日、祝日
営業時間 午前11:00~午後6:00
ギャラリー 北のモンパルナス(札幌市西区二十四軒4条3丁目 3-15 清水マンション105)
地下鉄琴似駅 5番出口より徒歩5分
電話 011-302-3993