「KANON PANCAKES」でパンケーキを食べてみた

2016年12月30日 18:14 1,170 Views
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一人旅エッセイスト

「パンケーキって、何だろう」 スイーツ男子は、そんな哲学的な(?)問いへの答えを見つけ出せずにいた。 子供の頃からよく食べた「ホットケーキ」とは何が違うのか。 インターネットで調べてみたら「甘くない、いわゆる"ご飯系"のものがパンケーキである」という情報があったが、かの有名なクリームもりもりのアレもパンケーキだろう。それをご飯として出されるのはさすがにしんどい。 というか、そもそもここ数年で急に流行りだしたのは何故なのか。 ……考えれば考えるほど、謎は深まるばかり。 そんなとき、偶然友人から「ここオススメだから、ぜひサツッターで書いて!」と教えてもらったパンケーキ専門店のホームページのオーナーあいさつに、こんな文言が載っているのを見つけた。 「大人な空間」 これだ!! 掴みかけた難題の答えを求め、その在り処「KANON PANCAKES」に行ってみた。

書いて字の如くの"大人な空間"

札幌市営地下鉄東西線・東札幌駅。 「札幌コンベンションセンター」や「イーアス札幌」の最寄りとしても知られるこの駅。地上に出ればそれらの施設とは南郷通を挟んで反対側の、無数にそびえ立つマンション群が目立つ。 天に向かって伸びるそれらを眺め、「札幌もどんどん都会になっていくんだな」と物思いにふけっていると見逃してしまいそうな今回の目的地は、そのマンション群の手前にある。 photo2603_2 "和モダン"と表現するに相応しい、通りに面したガラス張りの外観と、和を意識した前庭の調和はとても素晴らしく、"大人な空間"への期待はひとりでに高まる。 photo2603_3 店内に足を踏み入れれば、こちらも和テイストのインテリアが醸し出す優しく温かい雰囲気に、誰もが心落ち着かせることが出来るだろう。 今回通された窓側の席はカウンター形式になっており、「おひとりさま」でも気兼ねなく訪れることが出来るのではなかろうか。

ゆっくり待っていただく、こだわりのパンケーキ

着席して、アルバム型の洒落たメニュー表に手を伸ばす。 photo2603_4 「オーダーを受けてから生地を作り焼き上げますので15~20分お時間をいただきます」 表紙に記された説明文からこのお店のこだわりが読み取れて、長めの待ち時間さえなんだか嬉しく感じてしまう。 数あるパンケーキはどれも美味しそうで、その中から1つだけを選び出すのには相当な時間を要してしまったが、他ではあまり聞いたことのない珍しさに惹かれて「かぼちゃクリームのパンケーキ」をオーダーしてみた。 photo2603_5 夕方の時間帯だったこともあり、あまり待つことなくパンケーキとご対面。 真っ白い大きなお皿という舞台にドンと構える3枚の主役たちは、粉糖とふわふわのバタークリームで飾り付けられてとても美しい。 その横に添えられた"名脇役"、かぼちゃクリーム・キャラメルソース・バニラアイスクリームも主役を引き立てる準備万端と言ったところだろう。 まずは何も付けずパンケーキだけでいただくと、"ふんわり"というファーストコンタクトから、すぐに"とろっ"と口の中でほどけていく未知の食感に驚かされる。 ローストされた道産みやこかぼちゃとカスタードを合わせたかぼちゃクリームは、これもまた独特の味わいで美味。クリームの中にごろっと残る、かぼちゃの食感が楽しい。 クリームがシナモン香る少し甘さ控えめの大人な味なのは、キャラメルソースやバニラアイスクリームと一緒に食べることまで計算に入れてのことなのだろう。事実、三位一体のコンビネーションは抜群に美味しい。 photo2603_6 可愛らしい容器に入れられたパンケーキの伝統的な"女房役"、メープルシロップとの相性はもはや語るまでもなかろう。 セットの美味しい紅茶と共に、大満足の完食と相成った。

パンケーキとは何か……それは"大人の贅沢"

少し話は遡るが、窓側のカウンター席でパンケーキの完成を待つ間、奇妙な光景を目にした。 赤ちゃんを抱っこした1組の家族がお店の入り口で何かを見つけ、入店せずにすぐに帰っていってしまったのだ。 会計を済ませて店を出たときにその場所を確認すると、そこには「6歳未満のお子様の入店をご遠慮させていただいております」という、お店からのお願いが記されていた。 このルールには、もしかすると賛否両論あるかもしれない。 けれど裏を返せば、このお店が標榜する「大人な空間」を作ろうと、それだけ本気で取り組んでいるということの現れだろう。
先ほど引用したお店のホームページに掲載されているオーナーあいさつには、こんな続きがある。
帰りの頃には、心も体も温かく軽やかに。 そして、やさしい気持ち、幸せな気持ちになっていただけたら…最高です。
「美味しい」とか「満腹」とか、そういった感情のさらに先にある"幸せ"という気持ちを得るために食べるもの。 それがパンケーキなのだとしたら……この上ない"大人の贅沢"だと思う。 とにかく安いものよりちょっと良いものを、というここ最近の人々の嗜好に合致しているのも頷ける。 美味しいパンケーキが食べたくなったら。 ちょっと贅沢したくなったら。 ちょっと幸せな気持ちになりたかったら。 ぜひ、KANON PANCAKESに足を運んでみて欲しい。 【KANON PANCAKES】 ・住所:札幌市白石区菊水3条5丁目5-18 お茶の土倉1階 ・最寄り駅:地下鉄東西線 東札幌駅2番出口 ・駐車場:有り(数に限りがあるため注意) ・営業時間:11時?18時(17時ラストオーダー) ・定休日:なし ・ホームページ:http://www.sabo-kanon.jp/ ・Facebookページ:https://www.facebook.com/kanon.pancakes/ →営業の案内や新作紹介など、頻繁に更新されています!訪問の前にチェックがオススメ!
Web業務、もう嫌だ。大丈夫、シュシュがいます。
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一人旅エッセイスト

#旅 #カフェ #コンサドーレ 25歳5ヶ月で47都道府県制覇。旅先で食べ歩いたご当地グルメは数知れず、おすすめ飲食店を聞かれればだいたいお答えできます。でも、一番好きな街はやっぱり札幌。愛する我が街の名を、コンサドーレの遠征先で叫んでいます。そんな27歳男子。札幌のカフェを応援するメディア「A Day in the Cafe」を運営中。

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