「JR北海道の路線存続問題」について考えてみた。Part.1
2017年2月13日 17:23
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※画像はJR北海道ホームページより引用
2017年現在、北海道の鉄路は存続問題に揺れています。
10年後、20年後、100年後の北海道が魅力ある地域であるためにも、北海道に住む私たち一人ひとりが他人事ではなく、自分のことだという認識のもと真剣に考える「時」がきたのではないでしょうか。
しかし、何が起きているのかをきちんと理解している人はどれだけいるでしょうか?新聞やインターネットメディアの情報だけを見て「分かった気になっている」人が多いのではないでしょうか?
新聞、TV、インターネットetc…情報媒体が溢れている現代社会において、利用する私たちにとって最も重要なことは「情報の選択」です。
私はサツッターのライターとして、メディアの情報を鵜吞みにせず、自分の目で見て、聞いて、感じたことをベースに本質を追及しています。
賛否両論様々なご意見があるものと思いますが、一つの考え方としてこの記事を見ていただければ幸いです。
複数回に分けて様々な視点から「JR北海道の路線存続問題について」考えてみたいと思います。
今回は、「路線存続問題が発生した理由と原因」について書いてみました。 この問題に関しては、本当にいろいろなご意見があるものと思います。 この記事に関しては、私の感性も入っているため「そこは違う!」といった部分もあるかと思います。 しかし、私がサツッターを通じて皆さんに知っていただきたいのは、鉄道に対する興味の有無に関係なく 「私たちの住む北海道について、一人ひとりが真剣に向き合うべきだ」ということをお伝えしたいのです。 北海道の活性化のためにも、鉄路の問題はよりよい解決策へ導かれることを願うばかりです。 Part.2もぜひご期待ください! 【参考資料】 JR北海道発表 「持続可能な交通体系のあり方について」
JR北海道の路線存続問題はなぜ発生したのか?
一言で表すと 「3年後(2020年)には資金不足に陥り、経営が成り立たなくなる」 現在の経営状態であれば、上記のようになってしまうというのです。 経営を成り立たせるための自助努力として、赤字路線の見直しを行いたいということなのですね。 自助努力と書きましたが、一般企業でいうところの「不採算部門」の切り捨てといったところでしょうか。 しかし、鉄道は公共交通でもありますのでそう簡単に切り捨てることはできません。そこで、「鉄道が本当に最も適した輸送手段なのか」ということを地域の方々と協議して結論を出したいとJRさんは言っているわけですね。資金不足に陥ってしまった原因は?
JR北海道が発表した情報を見る限り、大きく分けて3つあると私は見ています。 ※順位をつけるとなると個々の考え方によって変わってくるところもありますので順位はつけません。書いている順番も関係ありませんのでその点はご理解ください。 ● 人口の減少 ● 高速道路網の発達 ● 経営安定基金運用益の目減り <人口の減少について> 北海道は、全道的に人口が減少傾向にあるようです。 そして、「札幌一極集中」になっており、地方の人口減少による「過疎化」が進んでいるのが事実です。 ※JR北海道ホームページより引用 JR北海道が発表しているデータを見てみると、札幌圏以外は人口が減少していることが見てわかります。 単純に考えると、人口が減れば鉄道を利用する人も少なくなるはずです。 <高速道路網の発達について> まずは下図を見ていただきたいと思います。 ※JR北海道ホームページより引用 JR北海道発足時、北海道にはほとんど高速道路が整備されていませんでした。 つまり、「高速バス」がほとんど存在せず、鉄道が唯一の高速・大量移動手段だったわけです。 しかし、JR発足から30年経過した現在、約6.5倍にも距離が伸びています。図を見ても、主要鉄道路線に沿う形で高速道路が伸びていることが分かります。大量輸送に関しては鉄道が優位ですが、高速バスの台頭は鉄道にとって脅威であるのは間違いありません。 モータリゼーションが浸透している現代社会において、車で移動できるのであれば車を選ぶ人が多いのではないでしょうか。自分が出かけたい時間に、行きたいところに、複数人で、予定変更も自由自在で、車の便利さを知っては手放すことはなかなかできません。 鉄道が優位だった環境は、JR発足30年後には崩壊しているに等しい状況です。 <経営安定基金運用益の目減り> 「経営安定基金」というものをご存知でしょうか? 経営安定基金について簡単に説明しますと、 ・国鉄分割民営化の際、JR3島会社(JR北海道、JR四国、JR九州)は赤字経営が免れないことが明確だった ・「赤字経営は間違いない」と分かっていたため、国として何か支援しておく必要がある ・それぞれに会社にある一定のお金を渡しておくので、そのお金を運用して赤字補填に使ってください(これが経営安定基金) というものだったのです。 ちなみに、JR北海道には6,822億円の経営安定基金が設置されました。 経営安定基金の金額設定の根拠は下図をご覧ください。 ※JR北海道ホームページより引用 注目すべき点は「当時の金利情勢を勘案して、7.3%の利回りで運用された場合」です。 当時は昭和の末期ですので、まさにバブル期です。その時代の人が、30年後の世の中がこんなにも低金利になると予想できたでしょうか? ※JR北海道ホームページより引用 つまり、経営安定基金はバブル期の感性で設定されたものであり、現代にはそぐわない設定となっていると言わざるを得ません。今回は、「路線存続問題が発生した理由と原因」について書いてみました。 この問題に関しては、本当にいろいろなご意見があるものと思います。 この記事に関しては、私の感性も入っているため「そこは違う!」といった部分もあるかと思います。 しかし、私がサツッターを通じて皆さんに知っていただきたいのは、鉄道に対する興味の有無に関係なく 「私たちの住む北海道について、一人ひとりが真剣に向き合うべきだ」ということをお伝えしたいのです。 北海道の活性化のためにも、鉄路の問題はよりよい解決策へ導かれることを願うばかりです。 Part.2もぜひご期待ください! 【参考資料】 JR北海道発表 「持続可能な交通体系のあり方について」