浅草の銘店の料理人が講師となるオンライン講座をやってみた

2020年8月7日 21:53 322 Views

コロナ禍で大打撃を受けている飲食業界。札幌から東京・浅草に拠点を移し3年、観光地である浅草の飲食店の応援として、自分ができることは何か。浅草の食文化を後世に残そうと、浅草の銘店の料理人が講師となるオンライン講座を行って全国の方に聞いてもらう取り組みを始めました。

飲食店受難の時代が突然やってきた

こんにちは!お久しぶりです。食いしん坊のイワセです。
札幌から東京に引っ越してはや3年、札幌のおいしいものが懐かしい。
今は浅草に小さなアトリエを持ち、近くの北海道アンテナショップでささやかな幸せを手に入れるだけになりました。

でも、そんな想いを馳せる余裕もなくなる事態が、今年初めに突然始まりました。
そう、今も感染者数をじわじわと増やしている新型コロナウィルスによるものです。

いままでたくさんの観光客でにぎわっていた浅草に、ぴたっと人が来なくなったのです。

閑散とする雷門前
仲見世にこんなに人がいないのは初めて

いままで人混みがいやだった私も、さすがに悲しくなるくらいな閑散とした状態でした。

浅草の飲食店応援計画始動!

ところで、そのほんの少し前のこと。
浅草に「まるごとにっぽん」という商業施設がありまして、その中にイベントができる設備が整ったキッチンスペースがあります。そこを使って何か企画があればやってみないかと浅草商店連合会理事の方からお話をいただきました。

そのため、浅草の飲食店の方にとっても浅草に来てくださる人にとっても、楽しくなるような企画って何かないのかなぁ、と周りの方にも相談しつつ考えていたのです。

「まるごとにっぽん」内のキッチンスペース

そのときは、単純に「浅草の食を体感してもらう場所として、浅草の飲食店の料理人に観光客向けの料理教室をやってもらおう!」と企画にしようと思っていました。

ところがこのコロナ禍で状況は一変。
とても料理教室で人を集められる状態ではなくなってしまったし、飲食店の方もインバウンド客がなくなり大打撃を受けました。
そんな中、この企画を飲食店応援に切り替えたのが、オンライン講座として開催して国内のお客様に浅草の飲食店を知ってもらうことだったのです。

「あさくさ食たび」の企画を図式化したもの

クラウドファンディングを立ち上げる

さて、その企画を「あさくさ食たび」と名付け、まるごとにっぽんさんに持って行って賛同を得られたのはよかったのですが、講師の方と参加者を集めなくてはなりません。

まずどのように講師を選定するか。そしてどのように参加者を集めるか。それが問題でした。
とりあえずはこの企画を知っていただかなくては。
そのときにふっと思いついたのがクラウドファンディングをすることでした。

クラウドファンディングとは、おもに資金集めに使われる手法で、企画に対しネットで支援していただく方法です。通常はリターンという返礼品を用意し、お金を支援していただいた方にリターンをお送りします。
私はこれを宣伝に使うことにしました。
1ページで企画内容をすべて書けるためわかりやすく伝えやすいこと、そして支援していただいた方が企画の当事者としてこれからも応援してくれるだろうことが理由です。

まずはクラウドファンディングページ公開を1か月後に設定し、最初にこの相談を持ってきてくださった浅草商店連合会理事の方にご協力いただいて飲食店にお声がけをしていきました。

ところが、そんないままでやったことないような企画にすぐに手応えがあるわけはありません。
企画書を持ってまわっても、クラウドファンディング自体に馴染みがないし、否定されたり断られたりもしました。

そんな心折れかかっているとき、ある浅草の銘店の代表が二つ返事で「やるよ」と言ってくださったのです。クラウドファンディングも詳しい企画もわからないまま、どんなことをしたらいいかということだけを聞いて協力してくださることに、私はすごく感動してしまいました。

それは、「浅草のためになる」という気持ちだけなんです。浅草の素晴らしいところは、地域のためにすることに力を惜しまない土壌があるということだと、私はしみじみ思いました。

その方が受けてくださったということが信用となり、他の飲食店もご協力いただけるようになりました。そして、クラウドファンディングで3人のお店の方に講師になっていただくリターンができ、ページの公開へとつながったのです。

クラウドファンディングページのメイン画像

■クラウドファンディングページ
オンライン料理教室で浅草の飲食店の料理を作って浅草の食を「体感」する旅 【あさくさ食たび】を開催したい!

意外な反応

クラウドファンディングページの公開と同時に、いろいろなメディアにプレスリリースをお願いしに行きました。知り合いに紹介していただいたり、先方からお声がけいただいたりしていくつかメディアに出ました。
■東京新聞
<新型コロナ>浅草の「食」作って応援 地元店主講師にオンライン料理教室
■浅草経済新聞
浅草の飲食店料理人が講師の料理教室 初回はオンラインで、実教室視野
■浅草smartニュース
浅草の有名店が講師に! 歴史も料理も学べる料理教室が始まる
■MOTION GALLERY CROSSING(インターネットラジオ)
第8回
その他、J:COM東京「東京つながるnews」オンライン出演など。

こうしていろんな方に興味を持っていただけることに、企画者の私もびっくりしました。
それだけ、浅草の飲食店の動向はみなさんに関心があるということです。私も気を引き締めてやっていかなくては、という覚悟を持ちました。

おかげさまでクラウドファンディングは111%の目標額を達成し、本番に向かって動きだすことになりました。

今後について

クラウドファンディングの達成はスタートでもあります。
先日、大好評でリターンの3人の講師の方のオンライン講義が終わり、これから本番が始まります。

オンライン講座の撮影の様子

今後の講師も決まり始めていて、
■8月26日(水)14:00-16:00
浅草銘店の料理人からオンラインで教わる食の旅 - ロシア料理・ストロバヤ 秋山 司郎さん
■9月3日(木)15:00-17:00
浅草銘店の料理人からオンラインで教わる食の旅 - 洋食ヨシカミ 吾妻 弘章さん
■9月29日(火)15:00-17:00
浅草銘店の料理人からオンラインで教わる食の旅 - 駒形どぜう 渡辺 孝之さん
となっています。

洋食ヨシカミの吾妻さんが送ってくれた料理教室用のミートボールスパゲッティ画像

オンライン講座はzoomという無料ソフトでPC、スマホがあれば全国から聞くことができます。そして撮影後2週間は録画動画を視聴できるので、当日参加できなくてもお好きな時間にお話を聞くことができます。そして、講師と参加者だけが入れる限定Facebookグループに招待するので、料理人に質問したり、お得情報を聞けたりします。

浅草に拠点を持ったからには、これからも全力で浅草の飲食店の応援をしていきたいと思っています。今後も浅草の銘店の方に講師になっていただいて、浅草のお店の歴史や料理について語っていただくのでぜひお楽しみに!

■あさくさ食たび
・参加者募集ページ
https://syokutabi.peatix.com/
・Facebook
https://www.facebook.com/asakusa.shokutabi/
・Twitter
https://twitter.com/shokutabi
・Instagram
https://www.instagram.com/asakusa.shokutabi/

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北海道フードマイスター/Webデザイナー。2017年春まで1年半ほど夫の転勤で札幌に住んでいました。在住中に道の駅制覇・建築リフォーム科卒業など経験を経て、現在は東京在住。将来「食×デザイン」をテーマにしたシェアアトリエを作るため、浅草・雷門に二坪のプロトタイプを作って実験中。毎年東京で札幌大球を食べるイベントを開催しています。食べることが大好きで、ほぼ食べ物のことを書いてます!

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