二風谷アイヌ文化博物館に行ってみた

2018年11月30日 19:21 2,102 Views
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サツッターライター サッポロミさんのむかわ竜の投稿「恐竜全身骨格化石公開!むかわ町に行ってみた」を読み、「むかわ竜に会いたい!」と居ても立ってもいられなくなり、むかわ町へ。むかわ竜、穂別博物館を見学し、ししゃも寿司に大満足! さらに足を伸ばして「二風谷(にぶたに)アイヌ文化博物館」&「びらとり温泉 ゆから」に行ってきました。

平取町立二風谷アイヌ文化博物館

むかわ町穂別博物館から車で40分ほどのところにあります。 駐車場からいくつかのチセ(アイヌの伝統的家屋)の間の道を通って、博物館へ。入口のガラスにあるモチーフも横にある自動販売機も、アイヌモチーフ。 中に入ると「ゴールデンカムイ」の看板がお出迎え。 現在、北海道各地の博物館では、ゴールデンカムイのスタンプラリーが開催されているのです。 「北海道はゴールデンカムイを応援しています」スタンプラリーについて http://goldenkamuy.visit-hokkaido.jp/ 我が家でも私と子どもたちがゴールデンカムイ好きなので、看板見ると気分が上がります。 ゴールデンカムイ、残酷な表現、キツイ描写も多いので、すべての方にはおススメはしませんが、ストーリーが面白く、アイヌ文化、北海道の歴史モチーフが多いので、ぜひ読んで欲しい漫画です。 これを読んでから、博物館に行っても「これ、アシリパさんが持ってたよね」「これ、漫画の〇〇のモデルじゃない?」と話すと、子どもたちも楽しく見学できるようになりました。 館内に入ると、高い天井が印象的。開放的な空間にアイヌの文化がわかりやすく展示されていました。 主に3つのパート、「アイヌ(人々の暮らし)」「カムイ(神々のロマン)」「モシリ(大地のめぐみ)」に分かれていました。たくさんの展示物から、いくつか紹介します。 「アイヌ(人々の暮らし)」のコーナーで見つけたのは、“キサㇻリ”(子供を驚かせるための耳長お化け)。ゴールデンカムイ、アシリパさんが子どもたちをおどかすシーンに出てきます。 そして、“ストゥ”(制裁棒)アイヌ社会において、処刑にもちいられた棒。 窃盗など悪事をしたものには、この棒でたたいていたようです。 アイヌ文化にはおだやかなイメージがあったのですが、以前旭川にある「川村カ子トアイヌ記念館」を訪れた際、このストゥが何種類か展示されており、こんなに処刑棒に種類があるの?と衝撃を受けました。 手の込んだ衣服もたくさん展示されていました。 このような形で引き出し、表裏からじっくり見られるのがうれしかったです。手芸が好きそうなお客さんたちが「これはこの辺りから針を入れて、刺しゅうしてるんだね」と話しているのも聞こえてきました。 アイヌ紋様を描いてみようというコーナーもあり、子どもがまねしていました。スタンプもアイヌ紋様になっていて、小さいお子さんでもペタペタ押して楽しめます。 「カムイ(神々のロマン)」のコーナーでは、「イヨマンテ(熊送り)」のコーナーが印象的でした。「イヨマンテ」…ものの魂を神の国に送り返す儀式。アイヌにとってたいせつな動物や使えなくなった道具なども、丁寧な感謝といたわりの言葉を添えて祈るそうです。イヨマンテの儀式のビデオも見ることができます。 「モシリ(大地の恵み)」コーナーでは、桂の大木を作って作られたという丸木舟がどーんと。日本一の大きさとのことです。 狩りのための道具も興味深く。 鮭の皮で作られた靴(奥)、動物の膀胱で作られた水入れ(左)、鹿笛(右) オオウバユリの根、トゥレプシトで作られたウバユリ団子。 このオオウバユリ、北大の中にもたくさん咲いていたり、公園、林の中などいろいろなところで見かける植物です。根っこである鱗茎部分を掘り起こしつぶしてでんぷんの粉にし、団子にする手間を考えると気が遠くなりますが、これを食べ、時に保存食にもしていたそうです。

子どもが一番興味を持ったのは

そして、うちの子どもたちが一番興味を持っていたのがこちら。 クワリ(仕掛け弓) 弓矢からひもが出ている仕掛けで、けものみちに糸をしかけておき、その糸に熊が触ると弓矢が発射されるというもの。ここの展示では、仕掛けをセットして、ハンドルを回すと熊のパネルが横に動き、糸にかかり、弓矢が自動発射! 館内に響き渡る弓が熊(パネル)に命中する音と「やった!」の声…。 仕掛けの展示はあっても、実際に試せるところはなかなか無いので、夢中で何度も仕掛けていました。簡単な仕掛けではなかったのですが、何度も説明を読んでがんばっていたので、狩人の血が騒いだのかも。 このほかにもテン、カケスのわなも。そして、わなの説明のプレートが何ともシュール。 このわなと、アイヌ紋様の体験コーナーのおかげで、子どもたちも飽きずに満喫していました。 最後には、伝統の技を活かした現代の民芸品も紹介されていて、ステキなものがたくさんありました。 資料閲覧コーナーには、「ゴールデンカムイ」も。休憩がてら夢中で読みふける方も。 今までいろんな博物館を訪れ、アイヌ文化の紹介を見ていますが、ここはその中でも一番整然とわかりやすく、現代アイヌの作品展示もとても洗練されていた印象でした。 洗練されているのが一番素晴らしい…というわけではなく、各博物館の特色がいろいろあるのも面白いところ。旭川博物館では、漫画を使ってわかりやすく展示、北海道博物館では、現代アイヌの生活を、具体的な事例で紹介…など、各博物館の特色を見比べて、楽しんでいます。

びらとり温泉 ゆから

博物館と「びらとり温泉 ゆから」との共通入場券もあり、お得なので購入しました。 (共通割引券 大人700円 小学生 200円) 博物館から車で3分ほどでつきます。 施設が新しくてとてもきれいで、受付の横には野菜、果物販売もありました。 温泉は熱めの湯舟、ぬるめ、ジャグジー、露天風呂があり、ゆっくりできました。 風呂から出て驚いたのが、窯焼きピザとびらとり和牛販売コーナー。 いろんな温泉に行ったけれど、生肉販売しているところ初めてでした!もちろん販売だけなく、入浴+食事プランもあるそう。1650円~とのことなので、今度は食事も食べに行きたいな…と思ったのでした。 むかわで海産物を楽しみ、穂別博物館、二風谷アイヌ博物館、温泉と満喫の日帰り旅でした。 道すがら、むかわ町の町内では、胆振東部地震で倒壊した建物が残り、決して忘れてはいけないと感じました。被害の大きかった方々を応援する意味でも、また訪れたいです。 そして、なんとむかわ竜は来年2019年夏、上野国立科学博物館に出張に行くようです。 恐竜博2019 https://dino2019.jp/ むかわ町ではむかわ竜が復興のシンボルのようになっているとのこと。これからもむかわ竜から目が離せないですね。 平取町二風谷アイヌ文化博物館 http://www.town.biratori.hokkaido.jp/biratori/nibutani/ びらとり温泉 ゆから http://www.biratori-onsen.com/spa/
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愛知出身。人生16回目の引越しにて、2018年春から札幌住まい。好奇心いっぱい。大自然に感動し、歴史にまつわる場所でガイドさんと話し込み、珍スポットも大好物。もっと札幌を味わえるように、外から&住民としてのWの視点でお伝えします。

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