ゴールデンカムイネタがいっぱいの月形樺戸博物館に行ってみた
ずっと気になっていた月形樺戸博物館。北海道新聞の記事で特別展の開催を知り、急いで行ってきました。
訪れた11月末当時、雪も少なく晴天の札幌から車で1時間ちょっと。月形の少し手前からひどい吹雪で真っ白!(翌日、この周辺ではJRが止まるほどの暴風雪だったことが判明)
雪にまみれながら、なんとかたどり着きました。駐車場は同じ敷地内にある月形町役場駐車場を利用できます。
月形樺戸博物館とは
道内初の刑務所として、明治期に開設された樺戸集治監(かばとしゅうじかん・監獄の一種)の歴史を伝える博物館です。
1.旧樺戸集治監本庁舎…明治19年建設。監獄として使用された後、月形町役場としても使われていた建物
2.樺戸博物館本館…樺戸集治監の歴史を紹介
3.農業研修館…樺戸囚徒や、開拓当時の様子を展示解説
の3つの建物があり、数字の順番にすすみます。
なぜ、この場所に監獄?と思ったら
1. 明治政府へ反抗する危険分子、凶悪犯を隔離し、治安維持するため。
2. 囚人の安い労働力を利用して開墾させる。自給自足すれば、経費も削減できる。
3. 更生した囚人を北海道に定住させれば、人口増加につながる。
などの理由があったとのことです。今読むと、驚いてしまう点もありますね。
犯罪だけでなく、政府と意見が異なった政治犯も多く収容されていたようです。悪いことをしたのならともかく、考え方が違うことで逮捕され、当時開拓中、原野の北海道に連れてこられた囚人たち。
彼らの気持ちを想像すると、さぞかし驚き、寒さや雪に苦しんだのでは…、と胸が痛くなります。
ゴールデンカムイネタを探してみる
館内は基本的に写真撮影禁止なのですが、11月はゴールデンカムイのスタンプラリー実施中で、指定の場所のみ撮影可とのことでした。
まずは受付のある旧樺戸集治監本庁舎へ。受付の上には、ゴールデンカムイの野田サトル先生のサインが。
「アシリパさん」と小さな女の子でもあるアシリパをさんづけにしているのが、この漫画のステキなところ。
典獄(刑務所長)の部屋。写真右側に見える通路は初公開されたそうで、災害や暴動の際に逃げるための通路とのこと。暴動からの隠れ抜け道…、状況を想像するのはちょっと怖いですね。
全体の様子を再現した大きなジオラマも。
写真は撮れませんでしたが、「一斉開房装置」も展示されていました。
大きなレバーのようなもので、非常災害時に、レバーを動かすと監獄の20房の扉が一気に開きます。
これは、ゴールデンカムイの14巻にて「樺戸監獄で考案された、火災時に作動させる一斉開房装置」と紹介されていて、子どもたちが「これかー!」と見入っていました。
樺戸博物館本館に移ると、杉本&アシリパさんのパネルがお出迎え。真ん中の男性は、初代典獄の月形潔さんです。
館内は監獄の中の生活ぶりや歴史、道をどうやって作ったかなど、動画も交えてわかりやすく展示。
実際に使っていた道具が展示されていたり、絵や写真も多く、とてもわかりやすい内容でした。
監獄の歴史の中には、数名の有名囚人もいたそうで、ゴールデンカムイの登場人物「稲妻強盗」の名前も。「五寸釘の寅吉」とか、ニックネームのセンスがおもしろかったです。
体験コーナーも充実。冬の閉館期間に注意
"囚人が足につけられたという「鉄丸(鎖で足首につける鉄の玉)」を付けてみよう"など、なかなかシュールな体験コーナーも。感想は「ちょっとつけるだけなら、意外と軽い!」でも、これを1日中つけて、開墾や工事はとてもきつかったはずですよね。
厳しい状況で開拓や道づくりをさせられ、雪が降れば工事はストップ。冬季は、川岸から砂利を運搬させられたそうです。
あまりの過酷さに39年の歴史の中、1046人の囚人が死亡したとのこと。
この辺りは雪が多いとのことで、12~3月は残念ながら閉館に。雪解けの4月以降、ぜひおすすめの場所です。
大雪の日に訪れたことで、冬の厳しさも少し体感できましたが、札幌は雪が少なかったからか、スニーカーを雪まみれしながら博物館に向かう若者とすれ違いました。彼らは大丈夫だったのかしら?
冬に訪れる場合は雪対策をしっかりして行ってくださいね。
担当の方がいらっしゃるときは、ガイドもしてもらえるそうです。
ゴールデンカムイ好きな方には、11~14巻辺りを読み返していくと、より楽しめますよ。(ゴールデンカムイのスタンプラリーは残念ながら3月末で終了のため、写真で紹介したパネルは無いかもしれません。)