【サッポロファクトリー】「もっと!こどもの視展―こどもになる12の体験―」に行ってみた
先日、「もっと!こどもの視展」に行ってきました。私は以前保育士として働いていたので、子どもたちの目線で世界を見ることには慣れているつもりでした。しかし、会場を出るころには、その自信が少し揺らぐことになるのです。
展示初日だったこともあり、混雑を覚悟して出かけたのですが、拍子抜けするほどすいていました。すべてのコーナーを回るのに、かかった時間は30分ほどです。全部で12のコーナーがありましたが、どれもゆっくり体験できたのはありがたいことでした。
会場には子ども連れの方もいらっしゃいました。小さいお子様用のキッズスペースも完備、幼児以降でも参加できそうなスタンプラリーもありました。家族連れでも問題なく楽しめそうです。一方で、子どもがいなさそうなカップルや、私のように大人一人で来ている方も思いのほか目につきました。子どもと直接関わる機会がなくても、気になって足を運ぶ方が多いのだと知り、うれしくなりました。本記事では、12のコーナーのうち特に印象的だったものを3つご紹介します。
だから、わたしはマイペース「いとちゃんの30分」
子どもの体感時間について知ることが出来る「いとちゃんの30分」です。保育士時代、帰る時間になっても遊びをやめたがらない子どもに、私がよく使っていた言葉があります。「このお歌を歌ったら、ブランコおしまいね」というものです。不思議なことに、この言葉はとてもよく効きました。「あと10秒でおしまい」と時間で伝えるより、ずっとすんなり受け入れてくれるのです。ただ、なぜ効くのかを忙しい業務の中で深く考えたことはありませんでした。
展示を見て、その理由が腑に落ちました。子どもの体内時計は、時間ではなく「出来事の数」で数えられているそうです。「10秒」と言われてもピンときませんが、「お歌を歌う」という出来事なら、終わりの見通しが立てられます。だからこそ、あの言葉は有効だったのです。経験から身につけたコツの裏側に、こんな理由があったとは驚きでした。子どもと接する仕事をしていた私でも、思わず「なるほど」と声が出ました。

じつは、わたしはがんばって歩いている「2歳でWALK」
次に体験したのは「2歳でWALK」です。2歳の子どもが大人の歩幅に合わせようとして、歩く速さのランニングマシンに乗るコーナーでした。乗ってみると、子どもにとって、大人の歩幅は想像以上に速いのです。その速さ何と時速7.7km!ランニングマシーンの上で、つい早歩きになってしまうほどのスピードでした。2歳の子どもにとって、大人に追いつくように歩くことは常に早歩きをするということになります。
そのとき思い出したのは、当時担任をしていた2歳児クラスの子どもたちです。お散歩の途中に列の間隔がどんどん空きながらも、頑張って歩いていた姿が目に浮かびました。保育士として子どもの歩幅に合わせることは意識していましたが、それでもあの小さな足で一生懸命ついてきていたのだと、あらためて気づかされました。当たり前のように見ていた光景が、少し違って見えた瞬間でした。

それでも、ぼくらは今日も行く「大人ランドセル」
最後に体験したのが唯一列になっていたコーナー「大人ランドセル」です。私が子どもの頃も、ランドセルはかなり重いと感じていました。ところが今はコロナ禍を経たことで、水筒やタブレットまで持ち歩く時代です。展示の説明によると、その重さは約18.9kgにもなるそうです。
実際に背負ってみると、ずしりと肩にくる重みでした。大人から見たランドセルは小ぶりなサイズに思いますが、子どもが背負うとこんなに大きく感じるのか…と、ランドセルを背負って登校していた自分の姿を思い出しました。毎日フラフラと頑張って家まで歩いて帰ったものです。あの頃の私も、気づかないうちに頑張っていたのだと思います。実際の重さに参ってしまうよりかは、当時の懐かしさを感じた体験でした。

見方が変わる展覧会
このコーナーで、特に印象的な光景がありました。ランドセルを背負った一人のお母さんが、お子さんにこう声をかけていたのです。
「こんなに重いものを毎日持っているんだね。いつもせかしてごめんね」
その言葉を聞いて、胸がじんとしました。毎日の忙しさのなかで、つい口にしてしまう「早くして」。その言葉の裏に、子どもの頑張りがあることは、見えにくいものです。体験したからこそ出てきた、素直な言葉だったのでしょう。
この展覧会は、子どもと縁がない方が参加しても、きっと子どもへの目線が変わる場所だと感じました。子どもの時間の感じ方、歩く速さ、背負っている重さを、自分の体で追体験できるからです。私も、今度ランドセルを背負った小学生を見かけたら、「頑張れ」と声をかけたいと思っています。ただ、それはおばさんのおせっかいになってしまうでしょうか。それでも、あの重さを思い出した今は、声をかけずにはいられない気がしています。
「もっと!こどもの視展」は、子どもを見る目をやさしくしてくれる展覧会です。他にも子どもの目線から大人を見上げる3D映像や、子どもの視界に映る色彩を見ることができたりと体験コーナーがたくさん。展示物は写真・動画の撮影OK!SNSへの掲載も大歓迎とのこと。
2026年10月31日(土) 〜 2026年12月20日(日) の日程で、サッポロファクトリー3条館3階にて開催しています。昔は子どもだったそこのあなたも、機会があればぜひ足を運んでみてください。
「もっと!こどもの視展 -こどもになる12の体験-」
| 開催期間 | 2026年10月31日(土)〜12月20日(日) |
| 開催時間 | 10:00~17:00(最終入場16:30) |
| 会場 | 札幌市中央区北2条東4丁目 サッポロファクトリーギャラリー(3条館3階) |
| 公式サイト | https://www.stv.jp/event/kodomonoshiten/index.html |
















