JR最後の急行「はまなす」号に乗ってみた

北海道新幹線開業により廃止される急行「はまなす」号。
連日、新聞やTVニュースにも取り上げられているほど注目されている存在。注目されている理由をいくつか考えてみると、
・JR最後の定期急行列車である
・JR最後の定期客車列車である
・JR最後の定期ブルートレインである
・道内最後の定期夜行列車である
Etc…
キーワードは「最後」。
そう、はまなすが廃止されると同時にこれらすべての項目が消えてしまうわけです。
私はこれまでに何度か利用させていただいたことから、廃止される前に乗り納めしておこうと1ヶ月前に指定席の予約をお願いするも既に満席。乗ることは叶わないものと諦め札幌駅で「はまなす」の写真を撮っていると、乗りたい気持ちが抑えきれず、ダメ元で聞いてみるとキャンセルが出たことで席を確保できました。乗車2日前に起きた奇跡を記録にも記憶にも残すため、函館~札幌間の下り列車に乗車してきました。

JR最後の定期急行列車

国鉄時代を含めると、100年以上に亘り存在した列車種別。特別急行(特急)より座席や速度などのサービスは劣るが料金が安く、普通・快速より格上の存在で一般客にとっては利用しやすい存在だった。しかし、特別急行の大衆化により存在意義が薄れ、急行列車の数は全国的に減少。そして、はまなす号が最後の定期急行列車ということになった。はまなす号の廃止により、国鉄・JRの「急行」の歴史に終止符が打たれることになる。(臨時列車や復活も考えられるため、種別・料金体系は継続)
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行先表示にある「急行」の文字も見納め。

JR最後の定期客車列車

客車列車とは、機関車で旅客用車両を牽引する方式のこと。イベント列車や臨時列車を除けば、全国唯一の存在であった。はまなす号の場合、札幌~函館間は非電化区間を走行するためDD51ディーゼル機関車、函館~青森間はED79電気機関車が担当。深夜の函館駅では機関車の付け替え作業が行われ、見どころの一つとも言える。客車列車の連結器は電車や気動車の構造とは違うため、加減速により連結器の隙間が変化する。(安全性に問題なし)そのため、現代の電車や気動車では味わえない独特のショック(揺れ)が感じられる。客車列車が多数走っていた昔の時代を知る方々にとっては「懐かしい」「旅情を感じる」という人も少なくない。それも、はまなす号の廃止により感じる機会がほとんど無くなることになる。

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札幌駅で出発を待つDD51ディーゼル機関車。

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函館駅に到着したED79電気機関車。

JR最後の定期ブルートレイン

かつては全国各地を縦横無尽に走っていたブルートレイン。私の地元である九州は、九州~関西・東京を結ぶブルートレインが数多く走っていたことから、何度と利用させていただいており馴染み深い存在。北海道の地で再び会えたことに感謝。
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札幌~青森間500km弱を約7時間、28年間毎日走り続けてきた車体はボロボロ。車齢は約40年以上のものがほとんど。しかも、青函トンネル内は塩分を含んだ湿度90%以上、年間20~30℃の気温で、普通鋼の車体にとってはこの上ないほど厳しい環境。塗装を塗り替えても錆が浮いてきてしまい、ひび割れがその過酷さを物語っている。

道内最後の定期夜行列車

かつては道内全域に走っていた夜行列車。仕事後に飛び乗り翌朝には目的地。逆に、遊んだ後に飛び乗り翌朝はそのまま出勤。ということをしていた人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。旅情を感じるにも最適な列車だったが、様々な事情により廃止が決定。
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全国でも唯一となった「開放式B寝台」も見納め。

「最後尽くし」の急行はまなす号。
無くなってしまうのは残念ですが、新しいものが生まれれば無くなるものもある。その逆も同じ。
利用する私たちもその時代に適応していくことが大切なのかもしれませんね。
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奇跡的に席が確保出来たことに感謝しつつ、いろいろな思いに耽ってみた最後の「急行はまなす」乗車でした。